「初めての廃車手続き。必要な手続きや書類を漏らさず確認」

大切に乗ってきた愛車にも、家族・趣味など自分を取り巻く環境の変化に伴い、手放す時期が来ることもあります。そんなふうに自動車を買い替える際、これまで乗ってきた自動車を廃車する手続きが必要となります。
 
しかしいざ廃車手続きをすることになると、廃車手続きの種類によって必要書類も手続きも違ってきますし、具体的に何をしたら良いのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
 
ここでは状況別による廃車の種類や必要書類、手続きのすべてをわかりやすく解説いたします。今すぐではなくても少し先に廃車をお考えの方も、一度頭に入れておくといざというときに安心ですので、ぜひ参考になさってください。
 

1. 自動車の廃車手続きに必要な手続きとは

 
すべての自動車は最後に抹消手続きが義務付けられており、この手続きを一般的に「廃車手続き」と呼んでいます。
 
廃車手続きは、お住まいの地域が管轄する陸運局へ行ってナンバープレートと必要書類を提出します。自動車税などの還付金がある場合は申告書を提出して終了です。
 

2. 自動車の廃車手続きに必要な書類一覧と持ち物

 
通常、廃車手続きに必要な書類と持ち物を、一覧にまとめました。
 
廃車手続きの種類によってはこれらの書類に加えて、別途書類の提出が必要な場合があります。
 

2-1.廃車手続きに必要な書類一覧

1. 車検証(盗難・紛失などで用意できない場合、その旨を記載した「理由書」)
2. ナンバープレート(前後2枚)
3. 所有者の印鑑証明書(3ヶ月以内に発行されたもの)
4. 手数料納付書
5. 抹消登録申請書(永久・一時・解体届出)
6. 自動車税・自動車所得税申告書(地域によっては不要)
これらの書類に加え、家族や友人などの所有者以外の方や業者に依頼する場合は、「所有者の実印が押印された委任状」が必要になります。
 
事前に準備が必要なのは1~3の書類で、4~6の書類は廃車手続き当日、陸運局で用意することができます。業者に依頼する場合は、4~6は用意する必要がありません。
 
また、車検証に記載された住所と印鑑証明書の住所が違う場合は、住民票が必要です。結婚などで名前が変わってしまった場合も同じ様に、別途戸籍謄本をご用意してください。
 

2-2.廃車手続きに必要な持ち物

 
印鑑証明書と同じ印鑑
銀行などの振込先情報
 
廃車手続きの際、自動車の車検が1ヶ月以上残存期間としてある場合は、残存期間に応じて自動車重量税が還付されます。還付申請書を提出し、還付金の振込先が必要となりますので、銀行などの振込先情報を用意しましょう。
 
また、一時抹消する場合のみ登録手数料の350円、他にも廃車手続きに必要な書類一覧の、抹消登録申請書の購入で100円ほど費用がかかります。
 

3. 自動車の廃車手続き方法

 
自動車の廃車手続きには種類があります。そんな廃車手続きの種類と、廃車の際の自動車税や重量税還付金について、ご説明します。
 

3‐1.永久抹消

 
事故や災害などで自動車に乗ることができなくなった、すでに解体してしまったなど、もうその自動車に乗ることがない場合に利用する手続きが「永久抹消」です。
 
永久抹消を行う際、前述した「2-1.廃車手続きに必要な書類一覧」に加えて、【移動報告番号と解体報告記録日のメモ書き】が必要となります。
 
稼働報告番号は、リサイクル券に記載されていますので、リサイクル券を用意しましょう。
解体報告記録日は、解体処理が完了した連絡をリサイクル業者から受けた際のメモ書きです。こちらは自動車を解体した際に、自動車の解体業者さんが証明書を発行してくれることもあります。
 
また、災害に遭われ永久抹消する場合は、移動報告番号と解体報告記録日のかわりに罹災証明書が必要です。
 
なお、永久抹消の登録には期限があり、自動車を解体してから15日以内と定められています。ご自身で解体手続きから永久抹消登録を行う際は、期限に間に合うように注意しましょう。
 

3‐2.一時抹消

 
長期の出張や入院などで、一時的に自動車に乗ることがない場合、「一時抹消」を行うことでその間の自動車税を払わずに済むことができます。
 
一時抹消を行う際は「2-1.廃車手続きに必要な書類一覧」以外に必要な書類はありません。再度その自動車を乗る際には陸運局で「中古車新規登録」を行います。一時抹消登録手続きの際に発行される【一時抹消登録証明書】が必要となりますので、なくさずに大切に保管しましょう。
 

3‐3.解体届出

 
「解体届出」とは、また乗るつもりで一時抹消した自動車を、やっぱり解体した際に行う手続きです。
 
他にも永久抹消の際に、解体届出を利用することがあります。解体業者に依頼をしてから月をまたぐなど時間がかかる場合、自動車税・自動車重量税の関係で一時抹消しておいた自動車を抹消する際に利用します。
 
解体届出を行う際の必要書類は、「2-1.廃車手続きに必要な書類一覧」以外に一時抹消登録手続きの際に発行される【一時抹消登録証明書】と【移動報告番号と解体報告記録日のメモ書き】が必要となります。
 
もし一時抹消登録証明書を紛失してしまった場合は、理由書の提出が必要です。
 
また一時抹消した後、災害などで解体届出を行うことになった場合、移動報告番号と解体報告記録日のかわりに罹災証明書を提出することになります。
 
なお、解体届出の登録にも永久抹消同様、自動車を解体してから15日以内に登録するように期限が定められています。ご自身で解体手続きから解体届出を行う際は、期限に間に合うように注意しましょう。
 

3‐4.自動車税

 
自動車を所有していると、毎年4月1日に自動車の所有者に対して1年分の自動車税が課税されます。そして自動車税は、年度の途中で廃車手続きをした場合、4月を基準として廃車した翌月から月割計算で還付されます。
 
基本的に廃車手続きをした普通自動車に自動車税の還付がありますが、3月に廃車手続きをした場合、新年度まで1ヶ月に満たないため還付はありません。4月に廃車手続きをした場合は1年分の自動車税を納付し、5月~翌年3月までの自動車税が還付されます。
 
なお、軽自動車に関しては自動車税の還付制度はありません。
 

3‐5.重量税還付金

 
自動車重量税は自動車の重量や区分に対して課税され、自動車の購入時や車検の際に、次の車検まで期間分の税金をまとめて納付します。
 
そのため、廃車手続きをした際に車検が1ヶ月以上の残存期間がある場合は、残存期間に応じて自動車重量税が還付されます。
 
一時抹消の際、自動車重量税は還付されません。
 
しかしその後、解体届出を提出し自動車重量税の還付を申請した場合、一時抹消登録日と報告受領日のどちらか遅い方の日にちが車検の残存期間の確定日となります。車検の残存期間と有効期間の計算は月単位で行われるため、永久抹消より早く一時抹消の手続きができるのであれば、還付金が多くなる可能性があります。
 
また自動車重量税の還付は、永久抹消登録・解体届出をしたすべての自動車に適応されますが、自動車リサイクル法に基づいて適正に解体された場合でなければ適応されません。
 
そして廃車手続きの際、永久抹消登録申請、または解体届出と同時に自動車重量税の還付申請を行わなければ、還付金は受け取れません。後日自動車重量税のみ還付申請を行うことはできませんので、必ず廃車手続きと同時に還付申請をしましょう。
 

4. まとめ

 
自動車の廃車手続きは、自動車リサイクル法に基づいた解体を行う業者へ依頼し、必要な書類を忘れずに用意しておけば、ご自身でも比較的簡単に申請できる手続きです。
 
しかし陸運局は土日祝日の受け付けをしておらず、廃車手続きをする自動車の解体手続きを事前に行わなければならないため、面倒な手続きがないとは言えません。
 
申請漏れなどの心配がなくすべてをお任せしたいときは、信頼ある引き取り業者を調べてお任せしてしまうのも便利だと思います。ご自身の状況に合わせ、賢い方法を選択してみてください。
 
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